むかしむかし、中島川の上流の谷間から、夕がたになると、美しい上の音いろがながれてきました。
「なんとよか笛の音じゃ。そうじゃ、あれはお竹さんの吹く笛じゃ」
と、村のひょうばんでした。
むかしむかし、中島川の上流の谷間から、夕がたになると、美しい上の音いろがながれてきました。
「なんとよか笛の音じゃ。そうじゃ、あれはお竹さんの吹く笛じゃ」
と、村のひょうばんでした。
むかしむかし、ひとりのどろぼうが、町でひとかせぎしたあと、ぬすんだものを大きな包みにして背おって歩いていました。
そのむかし、麹屋町に一軒のあめ屋がありました。
むかし、唐人屋敷にほど近い篭町に伊勢屋という、欲の深い主人が住んでいました。
ある日のこと、日ごろから仲よくつきあっている唐人屋敷の阿茶(あちゃ)さんが、
「わたし、一年ほど中国帰ってくる」と、
いってあいさつにやってきました。
そして、阿茶さんは、伊勢屋さんの土蔵の石垣の中から、青く光る石をみつけました。
長崎の夏は、ペーロンのドラやタイコの音とともにやってきます。
まい年、茂木ビワの色づくころ、三、四十人の若ものが、和船に乗りこみ、競そうする様は、勇壮そのものです。ペーロンにはこんな話がつたえられています。